アイルランドのダブリンに移り住んで最初の2ヵ月くらい、とにかくやたらと歩き回っていた。
元々そんなに歩くのは好きじゃないし、すぐに自転車やタクシーに乗りたがるし、「趣味は散歩です」なんて健康的な老年期は絶対に迎えないであろう私が、なんでこんなにテクテク歩くのだ?というと、まぁ、いくつか思い当たる節があった。
1季節に恵まれた
ダブリンに着いたのは10月の後半。この晩秋という季節がらか、暑くもなく寒くもなく、雨もあまり降らず快晴が続き、お散歩にうってつけの日々が続いていた、というのが第一の理由。
2交通事情
第二に、ダブリンという街自体が非常にコンパクトで、歩けるサイズの都市であるというのも大きい。さらにダブリンには地下鉄がなく、メインの交通機関であるバスは料金が高く、交通渋滞のノロノロ運転が日常茶飯事、そしてすぐに満員になって乗せてもらえないことが多いため、結局「歩いた方が楽だし、早い」ということになる。
3心情的なもの
また、これまでの海外暮らしの経験からも、このダブリンという土地を深く知るためには、まずはアチコチ歩き回って、直にダイレクトに接して、人や街の息吹を肌で感じることが大事なんじゃないか?という個人的な心情というか信条のようなものが、自身の中に根付いていたから、というものある。
4現地事情への適合
そして最後に、ダブリンの人々は基本よく歩く、という現地事情に馴染みはじめ、気が付いたら「家から歩いて45分くらいかな」といった会話に驚かなくなるほど、「歩くのがフツー」というマインドセットに切り替わってきた。
ということでダブリンに来てからというもの、毎日平均して2時間以上は軽く歩くようになって、ま、健康的っちゃー健康的ですね。ただ、スネの筋肉(前脛骨筋)がパンパンになりやすいのと、股関節が痛くなってくるあたり、歩く姿勢の悪さと、メキメキ肥えてしまった体重、そして外国暮らしの不安を払拭しようと常にキリリッ!と力み過ぎている自分自身が、しっかりと反映されているのが面白い。
ところで、こうして日々テクテクと歩いていると、とあることに気が付くようになった。
なんか、やたらと、他の人に追い抜かれていく・・・!
正直、歩くのは結構早い方だと思っていただけに、なんか解せない。東京や大阪の雑踏の中、サクサクスイスイと歩を進めるのがデフォルト化していた自称シティガールとしては、なんかプライドがガツーン、ってくらい周りの人達に追い抜かれる。それも、若い人達だけでなく、老人とか、学生や、子供にまでスイスイ追い抜かれては、ポカーンとする、日本のオバチャンinダブリンの街角。
これは私が「歩くのが遅い」のではなく、彼等の歩くのがやたらと早いのだと、後に気づいたが。確かに足の長さも違うし、歩き慣れてるってのもあるだろうけど、それにしても、そんな競歩状態でノンストップ・ウオーキングはシンドクないのか、ダブリナーズ達よ?
ところで世界の都市で一番歩くのが早いのはドコだろう?と思いググッてみたら、こんなリサーチ結果がありました。世界の各都市の路上で、人々が18mを何秒で歩くかを調査した結果とのこと。
Singapore: World's fastest walkers - CNN.com
Pedestrians all over the world are moving faster than a decade ago, according to scientists who have conducted a study into the pace at which people walk.
1位 シンガポール
2位 コペンハーゲン(デンマーク)
3位 マドリード(スペイン)
4位 広州(中国)
5位 ダブリン(アイルランド)
予想していたNY(8位)を押さえて、ダブリンが堂々の第5位。東京なんて19位だし、あれだけ早いと思っていたロンドンも12位どまり。大阪がないんだけど、もしあれば15位くらいかな?
ちなみに6位以降はこんな感じ。
(2018年追記:現在ロンドンに住んでいるのだが、ダブリンの競歩ペースに慣れてしまったせいか、街行く人々の歩くペースが遅くてイラっ!とすること多し、です)
6 位 クリチバ (ブラジル)
7 位 ベルリン (ドイツ)
8 位 ニューヨーク (アメリカ)
9 位 ユトレヒト (オランダ)
10位 ウィーン (オーストリア)
11位 ワルシャワ (ポーランド)
12位 ロンドン (イギリス)
13位 ザグレブ (クロアチア)
14位 プラハ (チェコ)
15位 ウエリントン (ニュージーランド)
16位 パリ (フランス)
17位 ストックホルム (スゥエーデン)
18位 リュブリャナ (スロバニア)
19位 東京 (日本)
20位 オタワ (カナダ)