2020/05/01

かつての当たり前がそうでなくなるとき

日本の東京のど真ん中で生まれ育ち、オーサカとかフィリピンとかインドに住み着いた時期もあり、人込みの中でも割とスイスイと無意識に歩を進めることができる都会体質なのだが、どうもロンドンの人混みが苦手でならなかった。


もっとつめればいいのに・・・のロンドン地下鉄


東京といえば超満員の通勤ラッシュや渋谷のスクランブル交差点などが海外でも「ワーオ、クレイジー!」と驚愕の的となるけれど、正直言ってロンドン中心部の通勤ラッずシュやオックスフォードサーカスの交差点の方が、4.8倍くらいストレス度が高い。




まず第一に交通機関の駅構内のつくりやそこへ至る動線が、100年も200年も前のまんまで非常に効率が悪い。朝夕の通勤ラッシュ時など、地下鉄のプラットフォームは人があふれて動きがとれないし、駅構内に入るために地上で長い列を作って並ぶはめにもなる。


スペース的な飽和状態だけでなく、改札やエレベーター・エスカレーターの数がそもそも少ない上に、しょっちゅう故障してはそのまま放置されるという、現状に対応しようという姿勢がまず無い。

さらに、いわずもがなの、電車自体が遅れる、故障して止まる、行先や経由が突然変更される・・・といった、フリーダムすぎるオペレーションマインドによって、ま、要するにロンドン中心部の交通機関は毎日がカオスなワケですね。

クリスマス時のオックスフォードサーカス交差点


私が最後に日本を離れたときは、神奈川県の逗子から東京の渋谷まで「湘南新宿ライン」なる社畜列車で毎日1時間以上の通勤をしていた。確かに乗客数とか考えればムチャクチャ激混みではあるけれど、でもね、そこには秩序があって、誰もが等しく黙々と粛々と歯車の一部となって「通勤ラッシュ要員」としてお務めを果たしているから、安心してムギュー!とか押されても、ブッダのような心模様で平然としてられた気がする。

あと、さらに言うと私自身が身長153センチのミニチュアサイズだから、よけいにストレス感じるのかも。日本ではとりあえず周囲が見渡せて状況把握ができるけど、ロンドンでは周りを巨人に囲まれて前も見えないもんね。

このプラットフォームの狭さときたら・・・!


そんなこんなで、毎日がイライラとの闘いであったロンドン中心部での通勤ラッシュは、ロックダウン中の今となってはどことなく懐かしい。



あのー、そこ十分なスペースがあるのに、なんで他の乗客のために詰めてあげないのー?

とか


すみません、その手すりは貴女ひとりものなんですかー?ポールダンサー?

とか


お願いだから、もういいかげんその大声電話会話を終わりにしませんかー?

とか、


いつかまた言う日/思う日がくるのかな?

来るといいな。

来るよね?

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