2019/09/27

映画 "Call me by your name" (邦題:君の名前で僕を呼んで)

おお、なんと!せつなさ満載の"Call me by your name"がNetflixでやってるではないですか!





主人公の恋する甘い痛みがじわじわと迫りくるのはもちろん、セリフや音楽に頼ることなく登場人物のやり取りの間合いや表情で物語がよりリアルに進んでいき、なにより淡々と映される背景のディテールがこの世界への深い愛に満ちていて、もうそれだけで涙腺ゆるみっぱなし。

近年のメリハリの効きすぎたエンターテイメント映画とは違う、ちょっと昔っぽい感触が私世代には嬉しいかぎりで。名画座へ足繁く通っていた中高時代・・・あの頃の純粋な映画愛が、再び呼び戻されるキッカケになったのが、この2017年の"Call me by your name" 。


元々はJames IvoryとLuca Guadagninoの共同監督だったが、出資サイドの意向により脚本James Ivory&監督Luca Guadagninoに落ち着いたそう。いやいや、さすがのJames Ivory節。もう御年90歳超えているのだけど、だからこその深い美しさが全編のディテールに満ち満ちてます。


そういえば、この映画に関しインスタで日本のセンパイがコメントしてくれて、彼女曰く、映画を観た後に原作を読んだところ左程感動はなく、むしろ冗長(!)だったとのこと。そして

「あれ読んで映画化しようと思った監督も偉いし、何よりジェイムズ・アイヴォリーの脚本無しにはあの香気は出せなかっただろうと。原作との落差に凄さを思い知らされた」

と。うーん、なるほど。確かにストーリー自体はどこにでもあるような「叶わなかった初恋の痛み」だけど、ここまで魅せてくれたのは御大ゆえだなぁ、と改めて痛感。

なんだか「眺めのいい部屋」とか、「アナザーカントリー」とか(James Ivory作品ではないけど)改めて鑑賞したくなった。

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