最後の家族の死を境に、逃げるかのように日本を離れたのが2016年秋。
ダブリンとロンドンでの新たな生活も常にバタバタと忙しく、住む場所、収入を得る方法、滞在するためのビザ、基盤となる健康など、人生における重要項目がまったく安定しない日々を続けること2年プラスα。飄々と人生をやり過ごす呑気系の私ではあるが、ここまで長引くとさすがにココロが荒みモードへ傾きがちな人生パート3 inロンドン。
それでも生命力というものは、私たち個人のちっぽけなエゴの思惑とはまったく別の次元で、どんな暗黒においても、常により良い方向へと、光の方向へと自ずから進んでいくもので。やもすると陰々滅々とネガティブスパイラルの奈落へ向かいそうな状況下で、そのバランスを取ろうと本能が察知したのか、心がときめくアレコレにやたらと引き寄せられていることに気が付いたのが、昨年2018年のこと。
今までの人生の中で、あきらめてしまったり、卒業したつもりだったり、自粛せざるを得なかったり、けじめとして手放してしまったモノ、感覚、想い、言葉にならない大切な何か・・・、そんな光の片鱗が、その形を変えて目の前に現れてくることが多くなった。出会う人達、音楽や舞台、アンティークやヴィンテージ、家具やインテリア、写真や絵画、小説や文学、ファブリックや刺繍、ジュエリーや服飾、建築物や空間のコンセプチュアルデザイン・・・、それらを媒体にして私の心が深く揺さぶられる経験を沢山した、そんな年だった。
特に昨年は改めて自身のアンティーク好きを自覚。もともと昭和レトロ系古道具に惹かれる女学生だったので自然な流れか。立派な骨董品としてのアンティークよりも、普段使いができる「古きよきもの」を好む。高級なオークションではなく、フリーマーケットで無造作に積み上げられたガラクタの中から、お宝を掘り当てる喜びといったら!
中でもジュエリーは、自分でも意外だなと思いながらも、かなりハマってしまった。これを機に、おしゃれの感覚が日本で培った「鋳型に自分をはめこむ」スタイルから、自分にとっての美を独自に追求するスタイルへとシフトした気がする。こうして老女は歳を経るごとにどんどん魔女化してゆくのかもしれない。
「なんか色々と不思議なことばかりだわ」と1人ごちながら、そこに変テコな解釈や意味合いをとってつけるのも無粋ゆえ、とりあえずは異国で揺さぶられる自身の感性を面白がりながら、常識や理性をガン無視して心のトキメキ度合いを基軸に、2019年も突っ走る。
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