2022/08/05

この気持ち悪さは単に土足文化のせいなのか?

5年前からロンドンに住んでいる。


基本、体育会系からは真逆に位置するニンゲンであるが、ある程度の運動をせんと健康上よろしくないため、やむなく渋々水泳を日課にしている。(いや1日おきだけど)


しかし、よく考えたら、やれダイエットだー!やれボディメイクだー!と、30歳くらいからジムで筋トレや水泳、あげくにアクロバティックなアシュタンガヨガを続けてきたくらいだから、自分で思っているより全然「肉体派」なのかもしれない。


ともあれ、ロンドンにきて不摂生がたたり、限りなく糖尿病に近いおデブちゃんになり果てた昨今、手っ取り早く運動再開しようと思い始めたのがランニング。


が、近くのハムステッドヒースという丘陵地帯をガシガシ走っていたら、膝を痛めてしばらく歩くこともできなかった。くっそ。


まあ、この体重で山道みたいなトコ走るのは無謀だわね、と軽く悟り、今年に入ってからは水泳にシフトした。イギリスにはBETTERというスポーツセンター協会があり、メンバーになっておくと各地の市営施設内で自由に運動ができるので、これを利用している。


ウチから一番近いのは徒歩10分ほどの距離にあり、自宅勤務の身としては便利なことこの上ない。自宅での仕事が終わればチャーっと着替えて歩いてプールで水泳、帰りスーパーで夕食の買い物して帰宅、と地元で全部すんじゃうのは、やっぱ楽。


が、しかし。楽だけど、なんかイヤだな~、と DAY1から感じていて、それが何故なのか気づくのにちょっと時間がかかったのだが、公共施設の更衣室やシャワーなどが、どうもやたらと汚く感じて仕方ない。


「汚い!」と断言できず「感じる」にとどめているのは、周囲の人たちがまったく気にしていないからで、恐らく自分の日本的な衛生観念というか、ここイギリスでは潔癖症とみなされる病的反応自体が問題なのではないかと、軽く内省。


だってさ、日本のジムやヨガスタジオの更衣室って、普通に清潔じゃない?壁やベンチに触れないようビクビクすることもないし、ふつうに素足かソックスで歩ける。それって、まあ室内は土足厳禁って前提あってのことではあるけれど。


はてさて、ロンドン地元の公営プールの更衣室はというと、当然床は水浸しな上に、土足で歩くワケだから、ドロッとジャリッとしている。そのくらいならビーサン履いて歩けばいいのだが、そこに更に、無数の髪の毛の束、お菓子の食べかけ、ティッシュのかけらなどが、ドロッとゴチャッとへばりついていて、まぁ非常に不潔というか、オエッとするくらい不快なのだ。


ビーサンを履いてソロリソロリと歩く私をよそに、他の人たちはほぼ99%素足だ。シャワーを浴びた後でも、このドロッとベトッとジャリッとした床をフツーに素足で歩いてる。そして、このドロドロジャリジャリの床を素足で歩いてプールエリアへ向かう、むろん日本のような腰湯的なものは、ない。


たったこれくらいで気持ち悪がってドースルの?と呆れられそうだが、これだけじゃないのよ。


たとえば個室シャワー、床はカツラが作れそうな量の髪の毛だらけ、なんなら壁にもやたらと髪の毛がへばりついている。壁やドアはベトベトしていて触るのが怖い、腰かけるベンチ的な部分も何故か絶対濡れてる、泥だらけの足跡、お菓子のかけら、意味不明のベトベト。


そして最も解せないのは、清掃のおねーちゃん達は、割と頻繁にガッツリ水撒いて消毒液使って清掃している(2時間に1回くらいか?)にもかかわらず、常に汚いってことは、常に誰もがみな汚しっぱなし!ってコト?


そんなこんなで、爽快にスイミング~!という気分にはあまりなれず、どちらかというと気分が滅入りながらの義務おつとめ感満載で、ちっとも楽しくナイ。


まあね、そもそも外で土の上や犬のウンコの上を歩いた土足そのままで、絨毯引きの家の中に入って過ごして、時に靴履いたままベッドの上で横たわることすら、フツーに当たり前って世界に、過剰な潔癖症のニッポン人が入り込んでるワケだから、この軋轢は避けようがないのよね。


2年前に始まったコロナ騒動では、この国の衛生観念と死生観の雑さに心底仰天しまくっていたけれど、なんかそれにも慣れちゃって、オノレの小心さとか、過保護で神経質で過敏な部分が、どんどんガサツになっていくようで哀しいのだが、それでも、このプールの更衣室だけは絶対慣れたくはない。

(建物は古くてカッコいいんですけどね。。。)


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